木造在来工法
木造は、職人が柱や梁など軸で建物を組み立てるもので在来工法とも呼ばれている。上からかかる建物の重さを柱と梁で支えて、自身などの横からの力には、筋交いが効果を発揮します。
リフォームをするときは、柱や梁の入れ替えや継ぎ足し、筋交いの位置の移動などが比較的簡単にできることからリフォームには適している構造といえるでしょう。
間仕切りとなっている壁を除いてかなり自由に移動させることができることから、設計時の自由度も高く、間取りの変更なども簡単にできます。
ツーバイフォー工法
北米で生まれた工法で、切り口が2インチ×4インチの木材を使うことから2×4(ツーバイフォー)工法と呼ばれています。木材と合板で作られたパネルを床、壁、天井に使い、釘止めして作ります。建物全体をそれぞれのパネルで支えているのが特徴です。
ツーバイフォーは、パネルつまり面で支える構造になっているため、木造在来工法に比べると、リフォームするにおいての自由度は落ちます。
窓を大きくしたり、新しく窓やドアを作ることが難しくなるほか、壁を取り外すことが構造上できないため、間取りの変更なども難しいといえるでしょう。
鉄筋コンクリート工法
鉄筋とコンクリートを使った建物で、ラーメン構造と壁式構造があります。ラーメン構造は、柱と梁で建物自身を支えており、高層マンションといわれる建物の大部分がこの構造になっています。部屋の中に柱の凹凸ができるのが一つの特徴といえます。
木造在来工法と同様にリフォームの自由度は高く、室内の間仕切り壁のほとんどは取り外しができるので、間取りの変更などの大掛かりなリフォームの比較的簡易にできる構造であるといえます。
中低層マンションで多く採用されている壁式工法の場合は、壁と床で箱を作って建物自身を支えています。室内の壁には、建物を支える耐力壁があるため間仕切りを全て取り外すことはできません。間取りの変更などのリフォームをする場合には、制限を受けることとなります。
耐震性を悪化させるリフォーム
耐震性とは、地震などに対して建築物が倒壊しないようにしっかりと守る役目をする土台や柱、壁などの構造体の強度を言います。構造体が弱いと大きな地震ではなくても建物が倒壊するおそれが発生します。
例えば、子どもがいなくなったので2つの子ども部屋の壁をなくして広い部屋を作るとか、広いリビングにしたいと思って今まであった柱や壁を取り払ってしまうと、耐震性が低下して震災時に被害が大きくなってしまう可能性があります。
他にも、壁に大きな窓を作ったり、玄関の天井を吹き抜けにしたりする場合なども耐震性が低下する場合がありますので、こういった場合は、設計・施工業者との充分な打ち合わせが必要で、状況により構造体の補強工事を合わせて行うことが必要です。
リフォーム業者は、プロだから耐震性が低下するなら業者の人が言ってくれるだろうから大丈夫と思うのは、間違いです。取り返しが付かなくならないように充分な打ち合わせを行いましょう。
外見だけのリフォーム
快適性の向上を目的にした壁紙や床材の張替えなどの内装リフォームの場合、外見がよくなっているのでリフォームしてよかったと思いがちですが、建築物自体が古くなっている場合や、土台や柱、壁などの構造体が老朽化している場合は、補強工事もあわせて行わないとリフォームの意味がありません。
トイレやお風呂、キッチンなどの水周りのリフォームの場合であっても、老朽化度を業者の人にチェックしてもらったほうがいいでしょう。
せっかく見た目をきれいにしても建物の耐久性が向上したわけではないので、期間をおかずに建て替えなければならなくなるようなケースもありますので、内装のリフォーム時でも構造体などの耐久性もチェックしておきましょう。